はっと気が付く・・・・ここはダレ?オレはドコ?・・・・
相当な時間眠ったようだ。ブレストに着いたのが13時前くらい。
予定よりは2時間程度遅いが、絶望的な数字ではない。
しかし、その後フロアに倒れるように寝落ちして、再度起き上った時、悪いことに目の前にあった毛布が空いていてくれた。
何も考えず、その毛布を下にして再度寝落ち・・・・気が付くと時計の針は15時を、オレのブレストのクローズドタイムに迫っていた。
クローズタイムに余裕をもって到着をして2時間程度、仮眠・・・というよりは完全に睡眠というレベルまで寝落ちをした割には、まったくすっきりしない。
そりゃそうだ、なんも食べていないんだもん。
本当にマズい。あと片道600㎞あるのだから。
しかし、バーやレストランに行く気は全く出ず、トイレに行ってバイクに戻る。
今、手持ちの補給食はそれなりに残っている、つーか食べていないので、ほとんど残っている。無理やり一口羊羹を少しずつかじりながら水で流し込む。
一口羊羹を10回位に分けて食べたのは、初めてだ。途中、何回か戻りそうになる。
とにかくこの羊羹を消化吸収しないと、けっこうまずい。
口に戻ってこないよう、ゆっくりと漕ぎ出す。ブレストさようなら。
もしまた来るとすれば、4年後だね。・・・・なんて思う余裕すらなかった。
走り始めは、なんとかなるが、せいぜい持って20分程度。すぐに腹痛が戻ってくる。
今思えば、昨日のルデアックあたりで、なぜにメディカルセンターへ飛び込まなかったのか、さっぱりわからん。そんなこともわからないくらい、何も考えられなかったようだ。
ブレストでも、あれだけ睡眠を確保できるなら、まずはメディカルセンターへ行って薬もらって飲んでから寝れば、ずいぶんと違った結果があったかもしれないかと思うと、まじで残念。
なんて回想しても仕方ないので、再度、このコース一番高い標高の峠を目指す。
この峠は標高350m程度なので、なんてことはない。北海道的に言えば狩勝峠の7合目くらいかな。調子がよければ問題なくアウターで踏んで行けそうだ。
しかし、この時点でそんな選択肢はなく、ただ腹痛に耐え、無駄なエネルギーをできるだけ使わないようクランクを回すだけだった。
オレが上っているときにも対向にはブレストに向かっているライダーが多数走っていた。
しかし、ブレストから20㎞も走ると、さすがにこのあたりですれ違うライダーはブレストでタイムアウト、DNFという選択になるのだろうか。
ちなみに聞いた話だが、ブレストDNFは、輪行する場合、ブレスト駅ですべての人が40ユーロの輪行袋を買う必要があるそうだ。
というかDNFバイクの数が多すぎて、輪行しないと積めないんだって。電車に。
目視だから定かではないけど、最後のライダーとすれ違ったのはブレストを折り返して約70㎞地点あたりだった。
とにかくオレは、前を進むしか選択肢がない。
しかし、足腰手尻のすべてが絶好調で、一番軽視をしていた腹痛でこんなに苦しむなんて、予想もつかなかった・・・
途中仮眠を入れて、やっとの思いで峠のピークへ到着。
とりあえず、ダウンヒルは、飛ばすようにするが・・・キツイ。時計を見ると18時半。
CARHAIXにはいった。よく80㎞も耐えた・・・時計を見ると20時だ。
夜が迫ってくる、CARHAIXの街。
CARHAIX-PLOUGUERコントロール到着:698㎞
夕暮れ迫るCARHAIX-PLOUGUERに到着。20時半。
コントロールでチェックを受けると、壁際に行って倒れこむように寝落ちする。
たぶん、ここで何かを食べることができないと、かなりの決断を迫られるような気がした。
1時間ほど寝たようだ。時計を見ると21時半。
スープとオランジーナをもってテーブルに。本当は寝る前に食べておけば、かなり違うのだけど、到着した時点で食べることはほぼ不可能な状態。
寝れば少し胃痛も和らぐ。そこで何とか流し込む。
ここへ到着するまで通算3回嘔吐している。キツイなー
シークレットコントロール到着
途中にシークレットコントロールを挟んだ。時計を見ると、もうすぐ23時になろうとしている。
この調子で行くと、予定では今頃ついているルデアックには朝方になりそう・・・
と、思いつつも、足止めすると寝ずにはいられない。腹痛いなおんねなー
St NICOLAS-du-PELEMサービス到着:734㎞
もうこのあたりになると、何が何だかわからない。
時系列画像の時刻だけが頼り状態。たぶん時刻からここがSt NICOLAS-du-PELEMサービスのはず。
ブレストを折り返して約120㎞ほどきたようだ。時計を見ると深夜2時。
ルデアックまで46㎞だから・・・3時間は余裕で格闘するような予感。
フロアがクリートで傷つかないよう藁のようなじゅうたんが敷いてあり、とても寝やすい。
当然オレも一番奥で寝落ちした。本当にマズい。ここでも何も食べられず・・・
起きてリスタート。
外は、マジで寒かった。息が真っ白。本当にこれ出て行けるのか、躊躇した。
しかし、ここにいても何も変わらない。とにかくルデアックまで行かなくては・・・と、この時は、そう思っていた。
LOUDEACコントロール到着:780km
命からがら・・・という言葉がけっこうあっている状態でルデアックに到着をした。
日付が変わった朝の5時。この時点でほぼタイムアウト。
オレのルデアッククローズタイムが8月19日4時9分のはずなので、約1時間のタイムアウト。
そんなことよりも、横になって眠りたい・・・そんな気持ちだけでコントロールに行った。
チェックをもらう。
ドロップバッグがあるのだが、そこへ行って何かを取り出すという気力がない。
スマホタイマーを1時間セットしてフロアで寝落ち・・・・・
気が付くと7時を超えていた。徐々にタイムアウトどころか、ゴールタイムも危なくなってくる。
オレに残された数値は、ゴールまで残り450㎞。
タイムリミットは明日の14時・・・なので、ちょうど30時間。
いわゆる400㎞ブルべをちょうど平均速度15km/hで行けという・・勘定だ。
少々ある覚悟をした。
列も短いので、何か食べればいいのだが、飲み物すら受け付けない。
相当マズい。
仕方なくバイクのほうへ行って、リスタートをするか・・・
かなり詰んできているような手ごたえね。
あっ、そうだ、いらないものをドロップに捨てて、食べられそうなものを拾ってこよう。
朦朧とした意識でドロップバッグのほうへ歩いて行った。
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